令和4年度 行知学園日本語学校・行知学園第二附属日本語学校卒業式 学園長式辞

卒業生のみなさん、卒業おめでとうございます。
今回の卒業式は、コロナ以来  3年ぶりのものであり、コロナや入国制限により、楽しみにしていた留学生活は  ほとんど在宅でのオンライン学習に変わってしまいました。それでもみなさんは  一生懸命に日本語を勉強し、未曾有の困難を乗り越え、卒業できたことはみなさんの頑張りと決心の証であると共に、日本留学を決意した時から  今日まで、見守ってくれたご家族や友人、そして多くの先生方のおかげであることも忘れないでください。

卒業されるみなさんは、日本語学校で日本語の基礎勉強を全うし、明日からの新たな生活に  希望を膨らませていることでしょう。入学当初は、初めて経験する留学生活に  不安を感じたかもしれませんが、今日のこの日のみなさんの顔は自信に満ち溢れ、とても大人らしく見えます。それは、日本での生活に溶け込み、充実した生活を送られてきた証です。

この場を借りて、未来に向かって旅立つみなさんに  メッセージを送りたいと思います。 一つ目は、最近流行りのアニメ「進撃の巨人」の主人公  エレンの友人であるアルミンが言った言葉で、「何かを変えることのできる人間がいるとすれば、その人は、きっと大事なものを捨てることができる人だ、何も捨てることができない人には、何も変えることはできないだろう」 という言葉です。皆さんは自分を変えたいという思いから 遠い日本留学を選択し、以前いた楽な生活環境を捨てたこと と同じように、大きな成長を遂げるために  何かを捨てる必要があります。何かを実現するためには、何かを捨てる覚悟も持っておくことが大切です。皆さんは  これからも不撓不屈の精神で  自己成長を遂げるために、捨てることと選択することに勇気を持って立ち向かってください。そして、工夫と努力をすれば必ず成し遂げられるでしょう。

二つ目は、個性と自分で考えることを大事にしてください。皆さんは厳しい受験生活で  与えられた標準回答を繰り返し解き、日本人の喋る真似をして日本語を反復練習で学び、日本人の喋り方になりきることを目標として  頑張ってきたと思います。確かに点数を上げるためには  それは最も効率が良い方法ですが、一方で  そうやって大学を合格して成功を経験してきた皆さんは、これからも誰かの真似をし続けることでよいという誤解  を無意識に抱いているかもしれません。皆さんがこれから入る予定の次のステージ、大学や社会そして世界が皆さんに求める力は模倣ではではなくオリジナリティです。留学を通して  視野を広げた皆さんには、勉強のように反復練習で点数を上げるような人材ではなく、いままで  誰も見つけられない盲点を見つけ、世界で自分だけができることを探究しその知識やスキルを極めていく、そのような人材になっていただきたい、それで初めてみなさんの留学の価値が最大限発揮できるはずです。世界は皆さんが思う以上に自由です。今まで決められた枠を破って、もっと大きなステージをぜひ目指してください。

成長のために古い自分を捨てる覚悟と、常に 新しいことを探求する精神を忘れずに、この二つを卒業するみなさんへのはなむけの言葉として、私の式辞とさせていただきます。

本日は、ご卒業、誠におめでとうございます。

令和五年三月十五日 
行知学園学園長 楊舸

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