コロナ禍が長引く中、「コロハラ(コロナハラスメント)」という新たな言葉が生まれています。不安・恐れ・ストレスなどは人間にとっての自己防衛であり、それが攻撃的な行動や衝動的な行動に表れることは多々ありますが、新型コロナウィルスという見えないものへの不安や怒りや苛立ちを、身近な人に向けてしまう「コロハラ」が、新たな社会問題になっているようです。
行知学園はグローバル教育を目指す会社であり、「文化的背景、考え方や能力など、相互の価値観や違いを認め合いながらお互いを高め合い、活気に溢れた社内文化を創り出すこと」を基本的な考え方としています。
多国籍企業で働く上でダイバーシティの理解は重要課題の一つですが、「多様性」への間違った理解や知識不足が、「ハラスメント・ヘイトスピーチ」の危険をはらんでいることは否めず、特に海外からの留学生を受け入れている教育事業従事者にとって、ハラスメント行為やヘイトスピーチは許されるものではありません。
そこで行知学園では、本学園で学ぶ多くの留学生たちに最良の学びの環境を提供するために、まずは、社員一人一人が成長できる職場環境を作るための知識を正しく身につけるべく、「ハラスメント・ヘイトスピーチ防止に関する社内勉強会」を3回シリーズで行いました。
新型コロナ感染防止に細心の注意を払い、会場での受講者は楊理事長をはじめとする管理職のみに限定し、その他の社員はオンラインによるライブ受講、また、業務で参加できない社員は録画での受講となりました。
第一回の勉強会は、2020年8月6日、弁護士の塚越賢一郎先生を講師に迎え、ハラスメント・ヘイトスピーチを法的観点からご講義いただきました。
ハラスメントの定義からハラスメントが行為者や会社に及ぼすリスクなど、法律と照らし合わせながら考えることで、客観的に理解することができました。
第二回は、9月24日、日米でのカウンセリング経験を生かし、恵比寿にある「カウンセリングのハートコンシュルジュ」を基点に心理カウンセリングや講義活動を行っていらっしゃる臨床心理士、向後善之先生をお迎えしました。
向後先生にはハラスメントをしてしまう人の心理や接し方を中心に、心理学の観点からご講義していただきました。また、社員の家族や友人など、大切な人たちが抱えている悩みや問題などに対するアドバイスや回答もいただきました。
第三回は、10月21日、企業におけるメンタルヘルスの講義やサポート、心理カウンセラーの育成など、幅広い分野で活躍されている、「株式会社東京・ビジネスラボラトリー」代表、朝妻秀子先生をお迎えしました。
朝妻先生には、講義中に「交流分析(エゴグラム)」のワークを取り入れていただき、「自律的な人材」になるための自己分析をすることができました。
そして各回、講義後に確認テストや振り返りシートを提出し、各自の学びを深めました。新型コロナウィルスは未だ収束の兆しが見えず、医療問題、社会経済への影響、学校や家庭、職場における人の心への影響が大きくなる中で、このような勉強会を開いたことは、たいへん意義のあることであり、行知学園が目指すグローバリゼーションにとって重要な機会であったと感じています。